「相続のこと、そろそろ決めないと。でも家族に言い出しにくい」そんなご相談もあります

相続のご相談を受けていると、
「何をすればいいのか分からなくて」
というお話と同じくらい、

「兄弟に、どう言い出したらいいでしょうか」
というお話を伺うことがあります。

手続きをしなければいけないことは、分かっている。
でも、相続って「書類」だけの問題ではないんですよね。
家族だからこそ、難しいことがあります。


「今さら言い出しにくくて…」

たとえば、親が亡くなってから、しばらく時間が経っている。
不動産の名義も、そのままになっている。
「そろそろきちんとしないと」
そう思ってはいるけれど、兄弟とは普段あまり連絡を取っていない。

あるいは、関係が悪いわけではないけれど、
お金や不動産の話をするとなると、なんとなく切り出しにくい。
そんなケースは珍しくありません。

「財産のことを言い出したら、お金が欲しいと思われないかな」
「向こうはどう考えているんだろう」
「昔のことまで持ち出されたらどうしよう」

考え始めると、連絡一本することさえ重たくなってしまいます。
そして、
「また今度にしよう」
となる。

……分かります。私自身も、似たような経験があります。
相続手続きそのものより、
最初の一言のほうが難しかったりするんですよね。

相続は、まず「状況を整理する」ところから

相続のご相談というと、
「遺産分割協議書を作ってください」
と、最初から必要な書類が決まっているように思われるかもしれません。

でも実際には、
「何をしたらいいのか分かりません」
というところから始まるご相談もあります。

誰が相続人なのか。

どんな財産があるのか。

不動産の名義はどうなっているのか。

遺言書はあるのか。

そして、それぞれの相続人がどんな考えを持っているのか。

一つずつ整理していくと、
「まず何をすればいいのか」が少しずつ見えてきます。

家族だから、話し合えるとは限らない

「家族なんだから、直接話せばいい」
そう言われると、確かにその通りなのかもしれません。

でも、
家族だからこそ言いにくいこともあります。

昔からの関係性があったり、

それぞれに生活があったり、

「自分だけ得をしようとしていると思われたくない」という気持ちがあったり。

相続には、これまでの家族関係が思いがけず顔を出すことがあります。
だから私は、
「どうして今まで手続きをしなかったんですか」
ではなく、
「今、どんな状況になっていますか?」
というところからお話を伺いたいと思っています。

書類を作る前に、整理できることがあります

行政書士に相談するというと、
「もう遺産の分け方を決めてから行くところ」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、必ずしもそうではありません。

今どこまで決まっているのか。

何が分からないのか。

これからどんな手続きが必要になりそうなのか。

そうしたことを整理したうえで、行政書士がお手伝いできる範囲についてご案内することもできます。

もちろん、相続人同士で争いになっている場合など、行政書士では対応できず、
弁護士など他の専門家へのご相談が必要になることもあります。その場合も含めて、
「まず、どこに相談すればいいのか分からない」
という段階で、一度状況を整理してみることには意味があると思っています。

「何から始めればいいですか?」からで大丈夫です

相続のことが気になっている。

でも、家族に話を切り出せない。

書類も何が必要なのか分からない。

そんなときに、
全部調べて、全部決めてから相談しなければならないわけではありません。

「こんな状況なのですが、まず何をしたらいいですか?」
そこからで大丈夫です。

相続は、大切な人を亡くした後にする手続きでもあります。
気持ちが追いつかないまま、書類や期限の話だけが進んでいくこともあります。
だからこそ、一つずつ整理しながら進めていけたらと思っています。

人生の転機に、
「何から始めればいいのか分からない」
そんなときに相談していただける行政書士でありたいと思っています。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。