不貞行為が発覚したとき・・
配偶者の不貞行為(浮気)が発覚したとき、感情的な衝動で動いてしまいがちです。
しかし、今後の生活や子ども・財産のことを考えると、冷静に「合意書(示談書)」
で整理することで、一旦区切りとすることができる場合もあります。
示談書作成の目的、主要な条項、作成の流れ、注意点を行政書士の立場から
わかりやすく解説します。

1. 示談書(合意書)を作る目的
- 紛争を文書で終結させる:口約束ではなく、合意内容を書面で残すことで後の争いを防ぎます。
- 経済的・精神的補償を明確にする:相手からの慰謝料や配偶者からの婚姻費用(別居する場合など)
などの金銭的取り決めを整理します。 - 行動の制限を定める:不貞相手との接触禁止やSNSでの発言制限などを盛り込めます。
(ただし過度な制約は公序良俗に反する可能性があります)。 - 次の段階の準備:もし、次の段階(ご離婚など)に進まれた際に、その時の財産分与などを
決めておかれると、いざという時に、よりスムーズに話を進めて頂けます。
2. 合意書に入れるべき主な項目(チェックリスト)
以下は示談書でよく使われる主要項目です。
状況に合わせて追加・調整していきます。
- 当事者の表示(氏名・住所・生年月日)
- 合意の経緯
- 慰謝料の金額と支払い方法(分割・一括、振込先・期日)
- 養育費・婚姻費用等の取り決め(必要な場合)
※配偶者との合意書締結の場合 - 子どもに関する事項
※配偶者との合意書締結の場合 - 接触禁止条項(不貞相手との面会・連絡等の禁止)
- 名誉毀損・SNS投稿の自粛・削除(違約金設定も可)
- 違反した場合の対応(違約金・損害賠償・公証化の手続き等)
- 互いに今後一切請求しない旨(和解条項。ただし法的に放棄できない権利は除く)
- 署名・押印
- 日付・証人の署名
- 公正証書化の可否(強制執行を容易にするため公正証書にする選択も)
3. 書き方のポイント(実務アドバイス)
- 具体的に書く:曖昧な表現は後々の争点になります(例:「慰謝料を支払う」→「金○○円を、令和○年○月○日までに甲の指定口座へ振込む」)。
- 実行可能な内容にする:支払い方法や期日を明確に。支払不能になった場合の代替措置も検討。
- 子どもに関する合意は慎重に:別居されるという場合は、必要になることも。
- 公序良俗に抵触しない:過度に人格を制約する内容や違法な条項は無効になります。
- 証拠を残す:やり取りの記録、領収書、写真、メッセージ等は合意成立後も重要です(特に支払の確認)。
- 合意の有効性を確保する:署名押印は必須。公正証書化を検討する場合もあるかもしれません。
4. よくある質問(Q&A)
Q1. 「示談書を作ればすべて解決しますか?」
A:大半のケースでは効果的ですが、合意内容が実行されなければ
再度争いになることがあります。
支払が滞った場合の法的手続きを見据えた文案にすることが重要です。
Q2. 慰謝料はどのくらいが相場ですか?
A:ケースにより幅があります。
(婚姻期間、子どもの有無、不貞の程度などで変動)。
一般的には、50万~300万とされる場合が多いです。
個別事情で大きく異なるため、専門家に相談して決めていかれる
のもおススメです。
Q3. 子どものことも決めたいのですが?
A:養育費は子どもの利益が優先されるため、強制執行付の
公正証書を作成されることも安心材料の1つです。
少しでもご安心につながっていかれますように。
