財産分与の分割払いに欠かせない条項とは?

1.はじめに

離婚協議書や公正証書を作成する際によく登場するのが
「期限の利益喪失条項」です。
聞き慣れない言葉ですが、養育費や財産分与の支払いを
確実にしてもらうために、とても重要な役割を持っています。


2.「期限の利益喪失条項」とは?

そもそおどんな意味があるのか?と言いますと・・・。
「分割払いを認めているが、滞納した場合には残額を一括で請求できる」
というお約束です。
法律用語の「期限の利益」とは
「分割で払うという有利さ」のことでもあります。
それを「喪失」させる条項、つまり
「約束を破ったら分割払いの特典はなし、
全額をすぐに払ってください」
という意味になります。


3.どんなときに使えるのか?

(1)財産分与

例:1,000万円を10年分割で払う →
1回でも滞納したら残額全てを一括請求できる条項を付けられる。
「総額が決まっている」財産分与に向いています。

(2)慰謝料

慰謝料も金額が確定しているため、同様に
「期限の利益喪失」を付けやすいです。

(3)使えないケース(養育費など)

養育費は「子どもの権利」かつ「将来に向けて発生する支払い」なので、
原則として期限の利益喪失条項は使いません。
その代わり「未払いがあれば強制執行可能」
という形で担保します。


4.実務での文例

乙が本条に定める支払を2回以上怠ったときは、甲は乙に対し、当然に残額の一括支払を請求できる。

※文言は公証人役場で調整されることもありますが、基本的にはこのような形で明記します。


5.まとめ

  • 期限の利益喪失条項は「分割払いを守らせるための保険」
  • 財産分与や慰謝料など「総額が決まっている支払」に有効
  • 養育費には基本的に使わない
  • 条項を入れることで、未払いリスクに備えることができる

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